salt coffee service 暮らしが楽しくなる小さなサービスの届け方
コラムでご紹介する内容
小山&御殿広場情報発信サイト「Goten Hiroba Portal」今佐和子さんと、カゼトツチが2019年3月から実施している「おやま妄想会議」。おやま妄想会議は、小山でおもしろいことをやりたい!、または、すでにやってるよ!という方の話を聞きながら、その想いやアイデアをみんなで一緒に”おもしろがろう”という meet up イベントです。
当コラム「もっかけ」ではおやま妄想会議で発表した方のファンが増え、発表内容の実現に一歩でも近づくことを目的に、その後の活動をご紹介します。
おやま妄想会議の発表者と内容
山崎 雅人さん(salt coffee service)
小山市出身。大学進学のために東京へ行き、建築を学ぶ。その後、那須のカフェで働き、カフェのオープンに向けて約10年ぶりに小山市にUターン。珈琲をきっかけとし、暮らしが少しだけ豊かになるサービスを画策、提供。おやま妄想会議では、小山駅前で一日中楽しめるようにするための活動目標を発表。2020年の目標は、カフェ「salt coffee service lounge」を作り、お店を始める人にアドバイスできる事例を作ること。 |
キッチンカーによる移動販売
日常の楽しみは小さなことから生まれる。
一杯のコーヒーから会話が生まれ、笑顔が生まれていく。
そんな、暮らしが楽しくなる小さなサービスの提供を軸に活動している方がいる。
salt coffee serviceの山崎さんだ。
SNSの情報をもとに小山市羽川の大沼公園に向かう。
大沼公園に隣接する場所に一台のキッチンカーが停まっていた。
近づくと、山崎さんが笑顔で迎えてくれた。
車内には、アウトドア用のコンロや、ホットサンドメーカー、コーヒーを淹れるための器具などが設置されている。移動スペースはほとんどないが、必要な道具がすぐに使えるように配置されているため、コーヒーを手早く淹れられるようだ。
設備は山崎さんがカスタマイズして取り付けたもので、もともと持っていた器具と、車を組み合わせたのでコストはほとんどかかっていないそうだ。
さっそくコーヒーを注文する。
キッチンカーのカウンターには、小さな熊の置物と、サービスのお菓子が置かれている。
小さなきっかけから会話が生まれ、ドリップの待ち時間も楽しむことができる。
ドリップ用のペーパーにコーヒーの粉がセットされ、お湯が注がれる様子を眺めながら会話をする。
山崎さんはキャンプで飲んだドリップコーヒーをきっかけに、コーヒーの面白さに気づいたという。Salt Coffee ServiceのSalt(塩)の由来は、料理のときにちょっとだけ何かを加えると、もっと美味しくなるところからきている。新しいサービスを始めたら、別の調味料の名前を付けようと思っているそうだ。
移動販売の面白さと難しさ
移動販売をする理由を尋ねてみた。
認知度を高める目的もあるようだが、次のように話してくれた。
「利益はあんまりでないと思うんですけど、面白いところで出店できるかなと思って」
面白ところですか?
「山の上もそうですし、草原とか(笑)」
草原!?
「私有地で草原とか持っている人とかいればいいんですけど、なかなかいない」
山崎さんは那須のカフェで働いていたことがあるそうで、その時の山コーヒーや、川コーヒー(机や椅子を川辺に持っていき、川に足を入れながらコーヒーを飲む)の経験が発想の出どころになっているようだ。
「私有地だと何でもありですけど、公園だとそうもいかない。個人の利益が集中するようなことはやらせてもらえないんです。例えば、ピクニックマルシェみたいな感じで一気に色んな出展者がでるなら許可も出やすいと思う」
山崎さんは大沼公園内での移動販売も試みたが、許可が出なかったという。
知合いのつてで、大沼公園に隣接する場所で移動販売することができたそうだが、移動販売の許可取りの難しさが伺える。
移動販売に至るまでには、立地の良い場所を探し、アポイントをとり、許可をもらい、販売準備をする必要がある。
苦労されてますね、と言うと。
「でも楽しいですよ」
と笑顔で答えてくれた。
お店を始めたい人のために
そんな山崎さんにこれからのことを尋ねてみた。
「今は時間をかけてカフェを作っている。というのも、何かしら自分でやりたいという人が増えてくると思うんです。そのときに、自分で作れたりとか、作り方が分かったりとか、そういう場所を作ることが重要だと思ったんですよね」
色んな人がお店をだせるような役割を担うことを考えているようだ。
今作っているカフェもいずれは誰かに任せることも検討中とのこと。
このような想いはおやま妄想会議で発表された30年計画にも含まれていた内容だ。
小山駅前で一日中楽しむことができるように、お店を乱立させるには開業者を増やす必要がある。現在準備中のsalt coffee Service lounge(カフェ)は、お店を始める人にアドバイスできる事例を作る狙いも含まれているようだ。
salt coffee Service loungeは6月にオープン予定だという。
きっかけは一杯のコーヒー。
小山暮らしのスパイスにいかがだろうか。
この記事を書いた人
藤本 尚彦 一般社団法人カゼトツチ/地域情報コーディネーター 茨城県鹿嶋市出身。居場所を増やすこと、個人や団体の想いを地域の方々に届けることをテーマに活動中。 |