【開催レポート】風と土ゼミ Online 社会学編#00 いまさら聞けない社会調査
2020/6/29(月)に開催された「風と土ゼミ Online 社会学編#00」のレポートです。
1.問題意識やその背景
新しいことや面白いことを実施するのは大切ですが、その地域で何が起きていて、何が問題なのかを知ることも大切です。地域を知るために必要な情報収集や分析を間違えると、地域の姿をしっかりと把握できなくなってしまいます。ありのままの地域を見るためには調査のいろはを学ぶことが必要になるのですが、一人では難しいし、面白くない!そんな想いから、みんなで学び、面白がれる「風と土ゼミ 社会学編」が開講されることになりました。
2.ゼミの目的
ゼミの講師は、大学で社会学を教える高久聡司さん。
プレ講座となる#00のテーマは、「社会調査」についてです。
今回は、社会調査の中でも「アンケート」に焦点を当てて説明していただきました。
地域で活動をすると、統計やアンケートなど、情報を扱う機会がたくさんありますが、いざ自分がやろうとするときちんとしたやり方がわからず、なんとなく調査してしまっている例を見ることも…。
そんな調査にならないために、調査を行う上で押さえておきたいポイントを学び、社会や地域を掴む新たな一歩に繋げてもらうこと。これが今回の目的でした。
3.ゼミの内容
~言葉の使い方を考えるだけでもアンケートは面白い~
ゼミは「あなたは栃木をどのくらい好きですか?」という設問から始まりました。
アンケート用紙にこの設問があったら、皆さんはどのようなことを考えますか?
「栃木」は、栃木県なのか、栃木市なのか?という疑問が出てきたり。
「好き」は、何がどんな風に好きなのか。地元だから好き、風景が好きなのか。色々と考えられるので、回答者の認識によって答えが変わってくるのでは?という疑問が出てきたり。
改めて問いかけられると、色んな疑問が出てきますよね。言葉の定義次第で結果が変わるので、言葉は面白く、大切であることを話していただきました。
~「設計」は調査で最も重要~
アンケート調査は「企画」、「設計」、「実査」、「集計」、「分析」に段階を分けることができます。この段階分けされた工程の中でも「設計」は特に重要。「思い通りの結果にならなかったから、やり直そう」では、いくら時間があっても足りないですからね。
では、実際にアンケートの設計をお願いされたらどうするのか。
レシピを見ずに料理をしても美味い料理が作れないのと同じで、まずは、真似ることから始めると良いようです。
アンケート調査の第一歩目は、参考となる既存の類似調査の収集をすることだと言われています。過去の情報を参考に情報を比べて「自分が調査したら、どのような結果が得られるだろうか」と推測することが大事であると、話していただきました。
4.終わりに
他にも、設問と選択肢の誘導、強制的選択について例を紹介していただきましたが、全部は書けませんのでここまでとさせていただきます。「えー、気になる!」という人は、次回のご参加をお待ちしております(笑)
参加者の方からは、「難しいはずのことを、わかりやすくかみ砕いてもらえて頭に入りやすいです!」、「言葉の並びなど普段何気なく回答しているアンケートにも、もしかしたら”ワナ”が仕掛けてあるかもしれないと思いました(笑)」など、嬉しいお言葉も頂きました。ありがとうございます!
また、「誘導のない設問の設定の仕方を学んでみたい」、「アンケート結果のまとめ方、見方を学んでみたい」といった意見もいただきました。今回のゼミをきっかけに、新たな疑問や、次につながる学びが生まれて嬉しいです!
ご協力してくださった講師の高久さん、素敵な学びの時間をありがとうございました。
プレ講座となる「風と土ゼミ 社会学編」はいかがだったでしょうか。
次回の開催予定日が決まりましたらHPやSNSで情報発信しますのでお楽しみに!
それでは、またお会いしましょう!
▼ゼミ講師
高久聡司 さん 目白大学社会学部地域社会学科准教授、カゼトツチ アドバイザー |
専門は社会学(都市・文化・観光まちづくり関連領域)、
栃木県小山市出身。都内大学院修了後、研究機関((独)