コミュニティスペース「まなかのいえ」 田んぼの中の秘密基地

コラムでご紹介する内容

おやま妄想会議は「Goten Hiroba Portal※1」今佐和子さんと、カゼトツチが実施する企画。「小山でおもしろいことをやりたい!」または「すでにやってるよ!」という方の話を聞きながら、その想いやアイデアをみんなで一緒に”おもしろがろう”という meet up イベントです。
当コラム「もっかけ」では、おやま妄想会議で発表した方のファンが増え、発表内容の実現に一歩でも近づくことを目的に、その後の活動をご紹介します。
※1 Goten Hiroba Portalとは、小山&御殿広場情報発信サイトの名称

 

小山市地域おこし協力隊 村山 大樹さん

村山さんが「おやま妄想会議」で発表したのは2019年7月のこと。
小山市穂積地区間中の「とある空き家の活用」が妄想のテーマでした。

新しく何かを始める人を応援できる場所にしたいな」 「宿泊形式のおやま妄想会議もやってみたい!」など、わくわくする内容を発表していただきました。

「おやま妄想会議」の発表から約1年が経った2020年7月。空き家は「民泊施設」と「コミュニティスペース」として利用できる「まなかのいえ」としてオープンしました。妄想は実現へと向かっているようです!

現在、「まなかのいえ」はどのように利用されているのでしょうか。また、オープンするまでの村山さんの活動や想い、今後の妄想についても気になりますよね。

そこで今回は、おやま妄想会議発表後の村山さんを「もっかけ」ます!

まなかのいえ

間中の自然溢れた景色の中に「まなかのいえ」は、ぽつんと建っている。周りに家は無く、辺り一面には田んぼが広がっているので、まるで「秘密基地」のような場所だ。

田舎ならではの自然や、周りを気にすることなく過ごせる空間は利用者からも好評。コロナウイルス対策を徹底するために貸し切りで運営している。オープンして間もないが、毎週のようにお客さんが訪れるそうだ。

「小山に住む人だけでなく、県外からもお客さんが来てくれています。外の景色や畳に座って話すことで新鮮さを感じていましたね。『まなかのいえ』を目的に来てくれたことが本当に嬉しいです!」

「まなかのいえ」には、プロジェクターやホワイトボード、スピーカー等の設備が整っている。ボードゲームやテレビゲーム機もあり、庭ではBBQや流しそうめんも楽しめる。

宿泊施設として利用する以外にも色んな楽しみ方ができそうだ。

 

思い描いていた方々が利用

これまでの利用者は20代が多い。起業を考えている人たちの打ち合せの場や、交流会場として利用されている。村山さんが当初からターゲットにしていた層のお客さんが来てくれているそうだ。

「新しく何かを始める人を応援できる環境を作ることをイメージしていたから、まさにドンピシャ! 嬉しい反面、その分期待に応えなきゃっていうドキドキはあるけどね(笑)」

年齢の近い20代の利用者との感性がマッチしたのは、村山さんが学生の頃に求めていた「遊び」にも「打ち合せ」にも使える場所を、無意識のうちに「まなかのいえ」に盛り込んでいたからだろう。

 

多くの人に支えられてきた

「まなかのいえ」を民泊施設として利用できるようするために、多くの人が手を貸してくれた。

資材や設備を整えるためにクラウドファンディングを始めると、「まなかのいえ」を知っている地域の人だけでなく、ゲストハウスを運営している遠方の人から支援が集まった。

壁や天井や床の張り替えは、白鴎大学の先生や学生の協力、SNSを見て参加してくれた地域の人たちが協力してくれた。

多くの人に支えられて順調に進んで来たように思える「まなかのいえ」だが、オープンまでの1年間は長い道のりだったようだ。

 

オープンまでの長い道のり

「SNSで呼びかけると色んな人が手伝いに来てくれて嬉しかった。来てくれたみんなに楽しんでもらいたかったけど、方向性の違いや、意見の違いがでることもあったなぁ。場づくりって難しいね」

効率良く作業したい人もいれば、コミュニケーションをとりながら進めたい人もいる。「まなかのいえ」を盛り上げたい気持ちは同じだが、時にはすれ違いが生じることもあった。

さらに、準備が進めば進むほどオープンに対して不安を感じていたという。

「運営の経験が無いから、地域に貢献できる場が作れるのか不安だった。お金や時間をかけるほど、反響が無かったときの怖さもあって…。みんなに支えられてきたから、途中でやめられないプレッシャーを感じることもあったなぁ」

それでも投げ出さなかったのは、奥さんのサポートのおかげだ。奥さんはWEBサイトの作成、SNS更新等の情報発信を担当。夫婦で支え合いながら「まなかのいえ」を作ってきた。

「何をするにも二人で話し合って決めてきた! アイデアやコンセプトを決める時も相談しているね。良いことも、悪いことも、日常の出来事も何でも話せる人は他にいないかな。本当に心強い!」

夫婦二人三脚で運営してきた「まなかのいえ」は、さらなるパワーアップをもくろんでいる。

 

人と人、人とコミュニティを繋げる

県外から来てくれた人から「郷土料理を食べてみたい!」とリクエストがあり、地域の人とつながることに需要を感じた。市外、県外から来てくれた人と、身近な地域の人を繋いでいきたい想いが強くなっている。

「お店に行って食べるのではなく、農家さんのお家で一緒に食べてるようなイメージ。面白い農家さんもいるから、農村っていう場所を活かして、コミュニティを繋いで行けたらいいな。『まなかのいえ』を起点に、地域の人をつないでいけたら理想的だね!」

また、サードプレイスとして使ってもらえるような場所を目指している。

「みんなで集まって遊んで、疲れたら休憩してさ。畳に座りながら外の景色を眺めてるといつもと違う時間が過ごせると思う。ボードゲームやテレビゲームを一緒に楽しみたい気持ちもあるけどね!宿泊形式のおやま妄想会議も開催してみたいな(笑)」

かつて、空き家だった場所に賑わいが生まれようとしている。
「まなかのいえ」で多くのつながりが出来て、小山の街がもっと面白くなるだろう。
田んぼを眺めながら、楽しい未来を妄想してみませんか。

 

PEOPLE

村山 大樹さん(小山市地域おこし協力隊)

新潟県長岡市出身。石川県で大学生活を過ごした後、仕事のためにさいたま市へ。その後、小山市の地域おこし協力隊となり、農泊事業を通して小山市の活性化に貢献中。おやま妄想会議では、間中のとある空き家で、宿泊形式のおやま妄想会議や、コミュニティスペースとしての活用について発表した。

まなかのいえ

HP:https://manakanoie.com/
Airbnb:https://www.airbnb.jp/rooms/43171321
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この記事を書いた人

藤本 尚彦

茨城県鹿嶋市出身。居場所を増やすこと、個人や団体の想いを地域の方々に届けることをテーマに活動中。